日本応用心理学会第90回記念大会・帝塚山大学開学60周年記念
特別講演
日時:8月27日(火)13:15 ~ 14:15
場所:帝塚山大学 16号館6階 16602教室
企画:日本応用心理学会第90回大会委員会
司会:谷口 淳一(帝塚山大学心理学部教授)
蓮花一己
(帝塚山大学心理学部 客員/名誉教授)
題目:交通心理学における地域でのフィールド研究の実践
(帝塚山大学心理学部 客員/名誉教授)
題目:交通心理学における地域でのフィールド研究の実践
交通心理学では、交通状況の多様性により、フィールド研究に必要性が高い。フィールド研究の意義は高いが、研究業績になかなか結び付かないこともあり、若手研究者がフィールド研究に参加するハードルが高く、研究者の層が薄い。しかし、交通事故を防止し、国民の安全と安寧をもたらすために、研究の意義や達成感も高く、研究への若手の積極的な参加を期待する。本講演では、私が仲間と一緒に実践してきた、奈良県及び関西でのフィールド研究を概説する。
講演では、最初に、“フィールド(場)”の意味と役割について解説する。さらに、交通心理学分野の具体的な研究として、1)阪奈道路や名阪国道の研究と2)高齢自転車利用者の研究を紹介する。交通事故は道路と人間(交通参加者)の相互作用で発生することが多く、道路側の影響の強い場合と人間側の影響が強い場合の双方を取り上げる。
何らかの安全策を実施した場合に、その効果の有無やその程度を調べる「効果研究(有効性研究)」も重要である。効果研究に必要な条件を述べたのちに、ドライバーへの訓練手法や道路対策を中心に、効果研究の事例を紹介する。
講演者略歴
蓮花一己帝塚山大学客員教授・名誉教授。京都府出身。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程。帝塚山大学教養学部講師、心理学部教授、心理学部長等を経て、2017年4月より帝塚山大学学⾧。2023年3月退職。交通心理学を専門として、ドライバー行動や事故多発地点の分析、交通参加者への教育手法の開発等の研究を実施。近年は、高齢ドライバーの運転行動や対策の研究を実施中。ドイツ、フィンランドに留学及び在外研修。内閣府第7~11次交通安全基本計画専門委員/日本交通心理学会会⾧/日本応用心理学会理事/(一社)日本自動車連盟副会⾧/(公財)国際交通安全学会理事/科学警察研究所顧問等。