大会企画特別セミナー
日時:8月27日(火) 16:15 ~ 17:30
場所:帝塚山大学 16号館6階 16602教室
企画:日本応用心理学会第90回大会委員会
題目:奈良酒を知る/伝える~酒販店経営者と研究者の対話~
【内容】
「酒の発祥」にかかわる豊富な歴史文化資源を備える奈良にあって、近年、個性豊かな地酒ブランドが数多く台頭し、業界内外で注目を集めるようになっている。
こうした近年の「奈良酒ルネサンス」と形容すべき活況は、「造り手」の自助努力だけでなく、さまざまな環境要因が複雑に絡み合って起きたことといえるだろう。
そのなかにあって重要な要因の一つと考えられるのが、地元の地酒専門酒販店が過去30数年にわたり「造り手」と「飲み手」の間で果たしてきた「つなぎ手」としての多面的役割である。
今回のセミナーでは、こうした「つなぎ手」的役割を率先して果たしてきた酒販店経営者との対話を通して、奈良酒の魅力創造・発信の軌跡を振り返るとともに、その未来への可能性について検討する。
話題提供者:
登和哉(株式会社登酒店)
登 和哉(のぼり かずや) 株式会社登酒店4代目。奈良県天理市出身。専修大学商学部卒業。大学卒業後、アパレルメーカーに販売員として約8年間勤務した後、2006年に登酒店入社。以来、両親とともに家業を切り盛りしながら、地元奈良をはじめとする全国各地の醸造元との独自のネットワーキング、店頭販売方法の改善、若年世代向け「酒の会」の企画・運営、奈良酒のPRなど様々な活動に取り組んできた。
河口充勇(帝塚山大学文学部)
河口 充勇(かわぐち みつお) 帝塚山大学文学部教授。奈良県桜井市出身。同志社大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程修了。博士(社会学)。専門は比較社会学、社会調査。関心領域は「越境」と「継承」にかかわる様々なこと。好きが高じて日本酒の研究に着手してもうすぐ20年。関連研究業績として 「奈良酒造業への社会学的接近ー暫定的な研究枠組み-」『奈良学研究』第24号(単著、2022年、帝塚山大学奈良学総合文化研究所)、 『産業集積地の継続と革新-京都伏見酒造業への社会学的接近-』(共著、2010年、文眞堂)などがある。